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カミングアウトという関門

カミングアウトはもう済みましたか?

この質問は主にTSの方に対する質問であり、TS-Video.topの読者のうちノーマル男性の方は無視してください。

カミングアウトとは「実は小さい時から女になりたいと思っていたんだ」とできれば秘密にしておきたいことを人にしゃべってしまう、という程度の軽重度合ではなく、「私は性同一性障害で、心は女性です。女性ホルモンや手術などの方法によって女性化を実施中(または実施予定)で、最終的には戸籍上の性別も女性に変更します。」と、完全にマジな内容の表明を実施して、その日からスカートで登校する(学生の場合)ことです。

カミングアウトの相手で最大の関門は両親です。親は息子が「女になります」と告白すると、物凄いショックに見舞われます。「やっぱり、お前は小さい時から女の子みたいだったからね」なんて笑顔で反応する親はまずいないでしょう。

いきなり告白するよりも、なんとなくそうかもしれない、と思わせるヒントを数週間とか数か月かけて小出しにして、その後で、長年の苦悩に関して相談を聞いてほしい、という感じで持ち掛けるのが、最も成功率が高いと思います。(理屈ではそうなのですが、そんなに冷静に対応できるはずがなく実際は・・・。)

この小説は親へのカミングアウトに失敗したらどうなるか?という疑問に最悪の形で答えます。

この大学生は親に誠意を持って告白しようとするのですが、結果としては超ドジなカミングアウトをしてしまいます。そうすると如何に悲惨な目に会うか、想像を絶する結果を招くのでした。羨ましくなるほど面白い?ことが起きるのですが、ネタバレは控えさせて頂きます。

両親はワンアンドオンリーなので失敗すると大変なのですが、友人の場合は最悪二度と会わない(というよりは見捨てられる)覚悟でカミングアウトする方が良い結果が得られます。

特に大学の同級生はしょっちゅう姿を見ているので、ずっと男子の服装で通っていても女性ホルモンを初めて半年以上経過すると、女性化したことは気づかれてしまっている(こちらが隠していても相手は結構分かっている)場合が多いようです。

そんな場合は「やっぱりそうだったんだな」とか、「うすうす気づいていたよ」とか、「頑張れよ」という反応が大半です。「キモ、あっちいけ」と言われることはごく稀で(心の中でそう思っている場合は多いかも知れませんが)、最悪の場合でも顔をしかめて無視される程度です。つまらない質問(性的対象は男なのか女なのかという類の質問が中心)で盛り上がることもありますが、その場のムードが何となくよそよそしくなるのは仕方ないです。

カミングアウトする前と後では、友人の自分への接し方がガラリと変わります(例外アリ)。一般女性が娼婦に対して示すのと似た、「あちらの世界の卑しい人間」のように、自分との感覚が数十センチから数メートル離れてしまうことに悲しくなります。

やはり頼りになるのはカミングアウトの必要のない親友(ずっと前から自分の変化を見ながら理解してくれている人)の存在ですね。

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