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本格的な性転換小説との出会い

momominです。私が本格的な性転換小説と初めて出会ったのは小学校高学年の時でした。

それまでは何となく「女の子になりたいな」と思っていて、姉のスカートをうらやましいな、と思ってはいましたが、本気で女になろうとまでは思っていませんでした。テレビでオカマを見ることはありましたが、女性と同レベルに美しいオカマはテレビにはなかなか出てこなかったし、女の子になるということが自分にとって現実的に可能なことだとは思っていなかったのです。

それは夢であり、白昼夢のネタでした。

ロビンソンクルーソーとか十五少年漂流記を読むと、無人島で一人っきりになった自分が難破した船から漂着したスカートをはいて生活するような白昼夢を見ていたのです。

最初に本格的なTS小説を見たのは「サンデーナイト・リムーバー」という前橋莉乃さんの本です。これはオンライン性転換小説の草分け的な本で、ネット上で小説のうち7~8割を読むことができました。残りを読みたい人は送金すると解凍用のレジストコードが送られてくるというものでした。前橋莉乃さんは本名が立石洋一さんというプロの物書きだそうです。当時すでに無料で読める性転換小説はネット上にあちこちアップロードされていましたが、前橋莉乃さんの小説はさすが有料なだけあって、本格的小説は違うなと感じました。前橋莉乃さんのHPで無料で読める部分は全て何度も読みましたが、実際に購入して全編を読んだのは「マムズ・リーズン」と「テロル・イン・パープル」の二冊だけでした。小学生~中学生ですからクレジットカードが使えるわけでなく、お金は持っていても、送金するのに苦労しました。親にばれたら大変だからです。

前橋莉乃さんの次に読んだ本格的TS小説は桜沢ゆうさんの「性転のへきれき」シリーズでした。ひろみの場合、かおりの場合、由香の場合、洋子の場合、えりの場合、と発売され、そのたびに送金に苦労しましたが、本当に必死で読みました。

前橋莉乃さんの小説は性転換小説というより、どちらかというと女装小説であり、私の魂の叫びと完全には一致していなかったのです。

桜沢ゆうさんが性同一性障害の苦しみを持った方だということは小説を読むとひしひしと伝わってきました。というよりも、自分が性同一性障害であり、性同一性障害とは何なのか、桜沢ゆうさんの小説を読んで明確に認識してしまったという方が正しいかも知れません。もし桜沢ゆうさんの小説に出会っていなかったら、私はもう少し軽傷のまま、人知れぬ悩みを持った普通の男性として一生を送ることができたかも知れません。

性転のへきれきは、一貫して前向きで楽観的な基調になっていると思います。性描写はサラリとしていて、全く18禁ではない感じです。性同一性障害の人間がTS小説に求めるのは「濃いセックス」ではなく「希望」なんです。(そうでない方もいらっしゃるかも知れませんが・・・)

性転のへきれきの5冊のうちで私が一番好きで何十回も読んだのは「かおりの場合」です。主人公の「かおる」は工学部を卒業して建築会社の情報システム部に勤めますが、上司からパワハラを受けて会社を辞め、なにかの拍子で女性だけのIT会社にアシスタントとして入社することになります。「女性だけ」というのが売りの会社で社員に男性がいることは秘密なのですが、かおるの大好きな先輩が事故で急死し、その穴埋めをして顧客と会うために、女子の制服を着ることを社長から強制されます。それから色々あって、結局は感動の結末に至るまで波乱の連続なのですが、ストーリーに不自然さや嫌味が全くなく、先輩と主人公との間の愛のテーマが全編を包んでいます。何十回読んでも、毎回、必ず涙がポロポロ出てくる場面があり、十年もの間、私を支えてくれた小説です。

小中学生のころと比べて今ではなんでも大量に出回っており、性転換小説も沢山手に入ります。でも男性の性的興奮のために書かれているものも多く、かおりの場合のように、性同一性障害の小説家が希望をこめて書いたような小説とはなかなか出合えません。

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製薬会社に就職が内定していた僕に採用取消通知が届いた – 戸籍が女性になっていると言われた!

主人公の高原裕貴は大学4年の男子学生ですが、2月に卒業試験が終わり、卒業が間近になったある日、就職が内定しているD製薬から、一通の封筒が届きました。

彼女とのデートの約束に遅れそうだったので、その封筒をポケットにねじ込んで約束のレストランに到着。

「あら、その封筒、D製薬からじゃない?」 彼女のお父さんがD製薬の専務で、裕貴はそのコネで就職内定したので、彼女には頭が上がりません。

その封筒の中身は・・・内定取り消し通知!!!

驚いてD製薬の人事部に電話をかけたところ「戸籍が女性なのに性別を偽って応募しては困りますね。」と言われたのです。

「そんなの何かの間違いに決まってる。戸籍謄本を見ればわかるでしょ。」ということで、彼女と一緒に戸籍謄本を取りに行ったところ、自分の戸籍が2年前に女性に変更され、しかも叔父さんの奥さんになっていたのでした。

いろいろあった挙句、1週間だけ叔父さんの妻として女装して暮らすことになります。

ここまでは面白バカバカしい話で、ドキドキしながら楽しく読み進むのですが、その後が衝撃的。2年前に焼身自殺したお父さんから高原裕貴にあてた手紙が届き、そこには驚愕の事実が書かれていたのです・・・・・

これがその小説です。

「性転のへきれき」シリーズについては以前本サイトで書いたことがありますが、性転換小説の草分け的存在であり、1998年から2003年にかけて5作が公開されています。

この「ユキの場合・よじれた戸籍」は前作から11年ぶりの新作ということになります。

私が初めて性転のへきれきと出会ったのは中学2年生の時です。私は小さい時から、女の子になりたい、どうして自分は男なのだろうか、という悩みに心を痛めてきました。金八先生で上戸彩が鶴本直という性同一性障害の少女(FTM)を演じた時はまだ小学校低学年だったので、意味がよくわかっていませんでした。

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性転のへきれきを読むと、著者の桜沢ゆうさんが私と同じ苦しみを背負ってきた方なのだということはすぐにわかりました。

自分が性同一性障害であり、性同一性障害とは何なのか、桜沢ゆうさんの小説を読んで明確に認識してしまったという方が正しいかも知れません。

もし桜沢ゆうさんの小説に出会っていなかったら、私はもう少し軽傷のまま、人知れぬ悩みを持った普通の男性として一生を送ることができたかも知れません。

性転のへきれきが、ネット上に氾濫している沢山のTSノベルと違う点は、朝起きていたらオッパイがあったとか、魔法の薬を飲むと女の子になったとか、機械装置に座ってオーム真理教のようなヘッドギアをつないでスイッチを入れたら隣の女性と入れ替わったとか、夢のような性転換が決して起きないということです。

男性が女性になるには、脱毛、女性ホルモン、手術と、一歩一歩進んでいかなければ、決して何も変わらないという現実を見つめた小説です。

ですから、性転のへきれきに感化されると、「自分も一歩踏み出さないと何も変わらないんだ!」という前向きな気持ちで、具体的行動(女性ホルモンとか)に踏み切る気持ちになれるのです。ということは、ある意味で、危険な小説と言えるかもしれませんね。

「ユキの場合・よじれた戸籍」はかなりの長編で、読むのに数時間かかります。(私は、ネットの連載で約4分の3読んでいるので、1~2時間で読みましたが、また何度もじっくり読みふけりたいです。)

同人の評論にも書かれていましたが、前作までと違うのは、主人公の物の味方や性感がすっかり女性の立場になってしまったことです。桜沢ゆうさんが完全性転換したのは2009年ごろと言われていますので、それは当然かも知れません。

前作までは、性交シーンはサラリとした感じで、アダルトな描写は殆ど無かったという印象ですが、ユキの場合は、特にレズセックスの描写が濃厚で、女流エロ小説みたいな部分もあります。

特に最後に女性(サド系)、性同一性障害MTF(玉ナシ竿アリ)、完全性転換MTF女性の3人が絡む性交シーン(いわゆる3P)は、精細濃厚で心理描写にも臨場感がありました。私のようなTSだけでなく、一般ノーマル(男性・女性)の方にとっても価値があると思いました。

一般男性の方は、AVで女性と完全性転換ニューハーフが絡んでいるところを見ても、「純女と純女のレズ vs. 純女とニューハーフのレズ」が、演じているAV女優の気持ちや性感がどう違うのか、理解できないのではないでしょうか。この小説の第40章の3Pシーンを読むと、「完全性転換ニューハーフが、玉ナシ・竿アリのニューハーフに犯される時には、こんな風に感じているのか!」と初めてご理解いただけるかも知れません。

TS-Video.comでニューハーフ動画を見られる方は、「ユキの場合・よじれた戸籍」を読めば、AV女優の心理や性感が理解できるようになって、感情移入の度合いが上がり、倍楽しめるかも知れませんね!

性転換小説(TSノベル)との出会い

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私が本格的な性転換小説と初めて出会ったのは小学校高学年の時でした。

それまでは何となく「女の子になりたいな」と思っていて、姉のスカートをうらやましいな、と思ってはいましたが、本気で女になろうとまでは思っていませんでした。テレビでオカマを見ることはありましたが、女性と同レベルに美しいオカマはテレビにはなかなか出てこなかったし、女の子になるということが自分にとって現実的に可能なことだとは思っていなかったのです。

最初に出会った本格的なTS小説は「サンデーナイト・リムーバー」という前橋莉乃さんの本です。これはオンライン性転換小説の草分け的な本で、ネット上で小説のうち7~8割を読むことができました。残りを読みたい人は送金すると解凍用のレジストコードが送られてくるというものでした。前橋莉乃さんは本名が立石洋一さんというプロの物書きだそうです。当時すでに無料で読める性転換小説はネット上にあちこちアップロードされていましたが、前橋莉乃さんの小説はさすが有料なだけあって、本格的小説は違うなと感じました。前橋莉乃さんのHPで無料で読める部分は全て何度も読みましたが、実際に購入して全編を読んだのは「マムズ・リーズン」と「テロル・イン・パープル」の二冊だけでした。小学生~中学生ですからクレジットカードが使えるわけでなく、お金は持っていても、送金するのに苦労しました。親にばれたら大変だからです。

前橋莉乃さんの次に読んだ本格的TS小説は桜沢ゆうさんの「性転のへきれき」シリーズでした。ひろみの場合、かおりの場合、由香の場合、洋子の場合、えりの場合、と出ており必死で読みました。

前橋莉乃さんの小説は性転換小説というより、どちらかというと女装小説であり、私の魂の叫びと完全には一致していなかったのです。

桜沢ゆうさんが性同一性障害の苦しみを持った方だということは小説を読むとひしひしと伝わってきました。というよりも、自分が性同一性障害であり、性同一性障害とは何なのか、桜沢ゆうさんの小説を読んで明確に認識してしまったという方が正しいかも知れません。もし桜沢ゆうさんの小説に出会っていなかったら、私はもう少し軽傷のまま、人知れぬ悩みを持った普通の男性として一生を送ることができたかも知れません。

性転のへきれきは、一貫して前向きで楽観的な基調になっていると思います。性描写はサラリとしていて、全く18禁ではない感じです。性同一性障害の人間がTS小説に求めるのは「濃いセックス」ではなく「希望」である場合が多いんじゃないでしょうか。

性転のへきれきの5冊のうちで私が一番好きで何度も何度も読んだのは「かおりの場合」です。主人公の「かおる」は工学部を卒業して建築会社の情報システム部に勤めますが、上司からパワハラを受けて会社を辞め、なにかの拍子で女性だけのIT会社にアシスタントとして入社することになります。「女性だけ」というのが売りの会社で社員に男性がいることは秘密なのですが、かおるの大好きな先輩が事故で急死し、その穴埋めをして顧客と会うために、女子の制服を着ることを社長から強制されます。それから色々あって、結局は感動の結末に至るまで波乱の連続なのですが、ストーリーに不自然さや嫌味が全くなく、先輩と主人公との間の愛のテーマが全編を包んでいます。何十回読んでも、毎回、必ず涙がポロポロ出てくる場面があり、十年もの間、私を支えてくれた小説です。

小中学生のころと比べて今では性転換小説も沢山ネット上で手に入ります。でも男性の性的興奮のために書かれているものも多く、かおりの場合のように、性同一性障害の小説家が希望をこめて書いたような小説とはなかなか出合えません。

中学生のころ、性転のへきれきの小説は(すくなくとも「かおりの場合」は)実話だと思っていました。そのくらい純真だったのです。今読めば、作りばなし(小説)であることは明白なのですが。

ちなみに、デリヘルを呼んだら桜沢ゆうという名前のニューハーフヘルス嬢(アリ・アリ)が来て「暇なときは小説を書いている」と言っていた、という話が書かれたブログを見ましたが、桜沢ゆうさんは2009ごろまでに「ナシ・ナシ」になったはずなので明らかに別人です。

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